毎回の定期演奏会では手作りの会報を発行しております。思いを言葉で伝えられる人になってほしいです。少しずつ掲載していきたいと思います。

 

2016年 12月24日発行 会報誌より 主宰者の巻頭エッセイ

 

戦中派のつぶやき

                                                                    小島秀夫

 

 

 

昭和25年1月の事で有るから今からもう60数年前の事で有る。レッスンにしても部屋にピアノひとつ有るわけでは無し。 発表会が有るじゃ無し。 共に励ましあう仲間も誰も居ない。

 

母はよき理解者だったけどその他は誰も居ない。

 

 

 

私は17才までは頭が悪い代わりに視力がとても良く両目とも2..0だった。それが一シーズンの不注意により一生眼鏡の世話になる人生となった。

 

 

 

現代人に言って見ても信用してもらえるかどうか?

 

定期演奏会のソリストに選ばれたばかりにオーケストラのパート譜作成をしていたのだ。 暗い中で

 

日が暮れるまで一生懸命やっていたのだ。(つまり書き写すという作業)今ならコピーで一発なのに。

 

 

 

楽譜は、(私はどうするのか解らないけれど)今時何でも(コンピューターで)手に入るらしいし、演奏する曲も、いとも簡単に聴けるらしい。果たしてそれが本当に芸術家の夢を育てるのに役立っているかどうかとなると~多いに疑問であるが。

 

今の人は何か知らない曲を練習するとなると先ずCDを聞くところから。それじゃ初めから人真似ではないか~と思う。どんな時でもどんな曲でも先ず自分自身が楽譜を見て作曲者と対話するところから始めないと自分の演奏とはならない。自分としてはある程度勉強してからでないと他人の演奏は聴かないようにする。

 

 

 

ヴァイオリンに関わって生きて60数年今では良い楽器に出会ったと思っている。携帯によし、アンサンブルに良し。音域もかなりひろくソロにも伴奏にも良し。

 

 

 

よくある話し、昔の自分達は本当によく練習したものだと言う手の話しをするつもりはさらさらないけれど今の人達は何につけても恵まれ過ぎている。それがかえって一番大事な夢を育む事を著しく損なってはいないだろうか?

 

 

 

                

 

 

2015年12月20日発行 会報誌より主宰者の巻頭エッセイ

 

格差留学事情

 

                                            小島秀夫

 

 

 

この夏から我が息子が一応勉強目的でパリ留学をした。

 

私も若い頃短期では有るがベルリンの音楽大学に留学した経験がある。ドイツで生活するなんて想像もしなかったのでそのショックたるや相当なものである。況してや1ドル公定レートで360円時代、町の両替屋では400円であった。  千マルク(当時の10万)両替したら1万は損する。日航の片道航空券代金は24万、当時の大卒の年収2倍に相当する。

 

 

 

当時NHK交響楽団で給料をもらっていたものの、それでも高額であった渡航費故、私はシベリア鉄道でドイツへ向かった。横浜から船でナホトカへ、ナホトカからシベリア鉄道である。固い椅子、洗面所の石鹸は魚くさくトイレは少なく汚い。社内放送など皆無で窓の外は荒涼たる凍土、無言で止まって「がたん」と無言で発車する。あまりの辛さに挫折してしまった。ドイツまで2週間はかかる旅の予定であったが、ハバロフスクから飛行機に乗った。

 

 

 

 到着したベルリンには壁があった。フィルハーモニー(ベルリンフィルハーモニー管弦楽団の本拠地)は壁のすぐ傍にあった。それでも私にとっては天国であり理想郷であった。憧れ尽くしたベルリンフィルハーモニー、ここで運よく約半年演奏会に参加できたことは一生の宝ものである。そのまま団員への可能性もないことはなかった。が、冬は長く寒く食料に乏しく、日本人もいない。更に東洋人への蔑視もないことはなく、語学に不自由するその生活とNHK交響楽団での安定した地位や日本の暮らし良さを考えた時、ベルリンに残る勇気はなかったのである。そのことは自分の人生で唯一の心残りであるかもしれない。

 

 もう少し時代が良ければ、もう少し語学ができていたら、自分の人生は違ったものになったかもしれない。

 

 

 

 遅くに授かった息子に望むことはさほどなかった。可愛いだけで十分であり、ただ願わくは何かを志し高みを目指すとき、意欲と実力があっても語学や環境に邪魔されることは避けてほしいと願った。この度の留学については、本人が各種手続きを自力でやり殆ど自分の意思で準備し渡欧した。ただ航空券は片道約10万、初任給の半分以下かと思われる。あちらでは日本人は多数いて、語学ができなくても暮らしていけないことはないらしい。日本の食材もまずは手に入るようだし、日本食にもたまにはありつけるらしい。なにより高額な国際電話の必要もなくメールがリアルタイムで届く。「雲泥の差」とはこのこと、どう差し引き考えても「王子様の留学」には違いない。

 

 

 

 羨ましくも妬ましい息子の留学、恵まれた環境をどう活用するか、かつてのような言い訳はない。恵まれているだけに成果を上げることは必須になっている。どちらが楽であるか幸福であるか?わからなくなる。

 

 

 

 広島ジュニアオーケストラ、仲良く楽しく活動し、徐々に音楽の素養や腕もあげてほしいという趣旨ではあるが、もうひとつの願いはコミュニケーション能力である。外国語の基礎は日本語、確固たる母語あってこその外国語である。外国語の学問だけ達者になっても伝えたいことがない人には意味を成さない。自分の思いを豊かに持ち、伝え合い、問題が起きたときに良い言葉で解決する。謝る。頼む。相談する。全てのことが団体活動には必須であり、鍛えられるまたとない環境となっている。未来を担う子どもたちには、机上の勉強より重要なことがあると思われる。

 

     

 

広島ジュニアオーケストラの卒業生が各地で嬉しい活躍をしています。2014年度は仁井内淳が立命館大学交響楽団のコンサートマスターを務めました。2015年は吉貞祥護が京都大学交響楽団でコンサートマスターを務めます。200人以上の大所帯のオーケストラをまとめる実力、そして人格は広島ジュニアオーケストラで培われたものだと思われ嬉しい限りです。ほか京都大学交響楽団には吉貞亮次も入団、慶応大学オーケストラに重森倫貴が入団、近藤紗矢が広島大学医学部霞オーケストラに入団、各大学で音楽を友に青春を謳歌しています。そして日程の都合ができれば、古巣広島ジュニアを手伝いに来てくれます。

 

こんにちは、立命館大学3年の仁井内 淳です。ひょんなご縁から、秀夫先生・朋子先生のもとに飛び込みバイオリンを始めたのがもう16年前のこと。音楽の色が皆無の我が家にバイオリンがやってきて、家族まとめて何かの魔法がかかったかのように環境が変化しました。そして、ジュニアオーケストラに所属することでより一層世界が広がったように思います。その甲斐あってか、この1年間は立命館大学交響楽団のコンサートマスターを務めていました。(一般)大学オーケストラというものに馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、ハッキリ言って特殊です。「演奏会」を作り上げるあらゆる工程を学生がすべて自分たちで立案、企画、運営を行います。いわば、一種の会社みたいなものでしょうか。本職である演奏に磨きをかけるのはもちろんですが、それ以外の部分に魅力が隠されており、僕もそこに大学オーケストラをする意義があるように感じています。実際、コンサートマスターも技術的なこと以外に100人以上いる団を率いるための信頼や人間性は不可欠です。しかし、ジュニアオーケストラにいたおかげで(コミュニケーションなど小さいころから育まれていたものは本当に大きなアドバンテージでした。子供たちには、ジュニアオーケストラでの練習や演奏会の一瞬一瞬を楽しんでほしいなと思います。ぜひ最後まで続けてみてください。そして、親御さんにはそのサポートを根気強くしてあげてほしいと思います。僕自身バイオリンをやめたいとは1回も言っていませんが、親にやめさせると言われてもおかしくないような状況は数えきれないほどありました(ろくに練習しないので)。そういう意味では、今の自分は続けさせてくれた「親」の努力の賜物です。親になったわけではありませんが、今となって感じるOBの気持ちとして受け取っていただければと思います。最後になりましたが、今後の広島ジュニアオーケストラの発展を心より期待しております。

   立命館大学交響楽団  仁井内淳   (画像/2014年5月大阪シンフォニーホールにて)


広島ジュニアオーケストラの皆さん、お久しぶりです。京都大学3年の吉貞祥護です。

現在、京都大学交響楽団でコンサートマスターを務めています。

広島ジュニアオーケストラを卒団して、早くも3年が経ち、すっかり京大オケのトップにまでなってしまいました。勉強そっちのけ(にならないように頑張ろうとは思っていますが…笑)で、京大オケ一筋で音楽に取り組む毎日ですが、先日、10月に広島ジュニアオーケストラOBの仲間たちと室内楽の演奏会を行いました。メンバーは、ヴァイオリンがジュニアオケOBの小島燎くん、信実祐太くん、仁井内淳くんと僕で、ヴィオラ、チェロは京都に来てから知り合った京大オケの先輩を含む一般大学の4人です。曲は、メンデルスゾーンのオクテットと、ハイドン、スメタナのカルテットの3曲というプログラム。僕は、オクテットとハイドンを演奏しました。既に、京大オケの1月の演奏会に向けた練習が始まっており、決して暇な時期ではありませんでしたが、熱を入れて取り組んだ成果、演奏の出来、客入り、聴きに来てくださったお客様の反応など、すべて含めて非常に満足のできる演奏会となりました。ジュニアオケOB4人は、たまたま京都の大学に進学していましたが、普段全く別々に活動しているため、最初は実現するのかわからないような状況でしたが、こうして広島にいた時以来、また一緒に演奏することができてとても嬉しかったです。広島から離れてもこのように交流を持ち続けることができて、改めて広島ジュニアオーケストラでのつながりの強さを感じることができた機会でした。一緒に演奏してくれた皆さん、支えてくださった皆さんや先生方には本当に感謝しています。

さて、話は戻って、京都大学交響楽団についてです。先述の通り、僕は今コンサートマスターを務めているのですが、思っていたよりもこの役職は大変です。コンマスは、指揮者のやりたいこと、あるいはその場面でソロをやっている人や軸になっているパートのやりたいことを一番に汲み取らなければならないし、それをオケ全体に伝えないといけません。それと同時に、受動的な姿勢ばかりだけではなく、自分の主張もしっかりしなければならないわけです。また、特に京大オケでは、全体練習のほかにパート練習やセクション分奏などで、それぞれがやりたいことを固めていくし、一人ひとりの技術レベルが高いというわけではないので、曲中でほかのパートがこうしたから自分たちはこうしようと柔軟に対応するといった器用なことがすぐにできるわけではありません。これらのことを全部考えながら演奏するとなるとどうすればよいものか…と、頭がパンクしそうではありますが、なんとか本番ではオケ全体が一つの方向を向いて演奏できるように日々の練習を工夫し試行錯誤しながら取り組んでいます。

さて、次の1月の定期演奏会は、以前広島交響楽団で正指揮者を務めていたことがある、山下一史先生を客演指揮にお呼びして、J.シュトラウス2世「ウィーンの森の物語」、R.シュトラウス「ドン・ファン」、ブラームス「交響曲第2番」の3曲を演奏します。どれも決して簡単な曲ではありませんが、聴きに来てくださったお客様に満足していただけるよう精いっぱい頑張ります。応援よろしくお願いします。


(画像/2014年10月 広島ジュニアオーケストラOB4名と関西の大学生8名で開催した室内楽演奏会の時)

 

この度,広島ジュニアオーケストラ第14回定期演奏会にお越しくださいましてありがとうございます。僕は,昨年度までジュニアオーケストラの一員で,今年度4月から大学に進学し,団友一年目となりました重森倫貴です。ジュニアオケではVnを弾いていたのですが,今回VnではなくVaでのせていただいています。

 Vaは,Vnと大きさはもちろん,音部記号も異なるため,僕としては演奏を楽しみつつも正直,非常に苦労もしています。また,VaVnと違い,オケの中でメロディを奏でるのではなく,オケ全体の中間で,オケのバランスを整えているように感じています。また,Vnよりも深く重みのある音がする楽器で気に入っています。

 さて僕は今年度から,慶應義塾大学に入学し,学内のワグネルソサイエティオーケストラ(以降ワグと呼びます)で,Vaを演奏しています。(オーディションはVnで受けました)理由は,先ほど述べたとおりです。

慶應はキャンパスもきれいで,授業も興味深いものが多く,毎日新鮮な気持ちで通っています。ワグについて簡単に説明をします。総勢200名強の大きなサークルで,年に三回の公演を行っています。公演ごとにオーディションがあり,その結果によって乗り番が決まります。さらに週三回練習もあり,とても忙しいです。それだけあって,非常に質の高い演奏を各公演,各依頼演奏会で行えています。またワグでは,プロオケの方々がトレーナーとして練習をみてくださっています。トレーナーの先生方は忙しい中,熱心に指導してくださっていて,勉強になっています。

ちなみに,次回公演は,2015312 18:20開場 19:00開演,サントリーホール大ホール 指揮:大河内 雅彦曲目:ブラームス/悲劇的序曲作品81・ドヴォルザーク/交響詩『金の紡ぎ車』 作品109 R.シュトラウス/交響詩『英雄の生涯』 作品40です。

 

 さて,このように僕が音楽を続けられるのは,小島先生の熱心なご指導と,広島ジュニアオーケストラでの経験があったからこそだと思っております。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 また今回,ご協力くださった広響の先生方を始め多くの先生方,ジュニアオケをいつも支えてくださっている内山さん,いつもありがとうございます。

 また機会がございましたらぜひ参加させてください。

                                 団友  重森 倫貴

(画像/2月合格祝いの席にて)

こんにちは、Jr.OBの吉貞亮治です。

現在大学一年生で京都大学交響楽団に所属し、日々ヴァイオリンを練習しています。

京都大学交響楽団(通称京大オケ)ではJrオケでいう内山さんや小島先生、朋子先生などのいわゆる指導者はおらず、学生同士が指摘し合ったり、相談したりすることによって音楽を作っていきます。自分たちで考えることによって1音1音これはどういう風に表現するのか、考えを練り合わせて一つの曲を組み立てるのです。基本的な練習としては、ときには2番線の伸ばしだけで1時間や2時間経過することもあります()。退屈そうだと思うかもしれませんが(このオケに入ってなければ普通の人はそう思うと思います())すごく丁寧に音を作るその過程をとても楽しいものだと心から思います。以上レポートでした!

今回のJrオケの演奏会は出演できなくて残念です。今日の演奏会の成功を願っています。できたらまた一緒に演奏させてください。

  (画像/関西の大学に通うOBたちが集合し彼の合格祝いの席を設けました。)